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不動産担保ローンの金利相場は?損しないための基礎知識


不動産担保ローンをはじめ、融資を受ける場合は「金利」について把握しておく必要があります。

借入金額や返済期間によって、実際に支払う金利は異なりますが、全体で数十万円~数百万円規模になることがほとんどです。

そこで、今回は不動産担保ローンの金利相場について詳しくご紹介します。

・不動産担保ローンの金利相場
・金融機関はどのように金利を決めるのか
・低金利でローンを組むコツ
・低金利の金融機関を探すコツ

「なるべく低金利で借りたい!」と思っている方は、ぜひ参考にしてください。

不動産担保ローンの金利相場

不動産担保ローンの金利相場は、金融機関によって大きく異なるためそれぞれの相場を把握しておく必要があります。

不動産担保ローンを取り扱う主な金融機関は、銀行とノンバンクです。それぞれのまずは、金融機関ごとに不動産担保ローンの金利相場について見ていきましょう。

銀行

銀行の不動産担保ローンの金利は、0.90~9%程度で設定されていることがほとんどです。

不動産担保ローンに限らず、他のタイプのローンと比較しても、低金利となっているのが銀行の特徴といえます。

銀行の金利が低い理由は、審査基準が比較的厳しいからです。また、審査にかかる時間がノンバンクに比べて長くなる可能性があります。

しかし、不動産担保ローンに力を入れている銀行はほとんどないのが現状です。

ノンバンク

ノンバンクの不動産担保ローンの金利は、5~15%程度で設定されていることが多い傾向にあります。

ノンバンクとは、クレジットカード会社や有価証券、消費者金融など「預金」を取り扱っていない金融機関のことです。

コストを重視するとややデメリットが大きく感じ

ますが、不動産担保ローンに力を入れている金融機関が多いというメリットがあります。

不動産担保ローン以外のローンとの違い

不動産担保ローンの金利は、住宅ローンに比べると高く、カードローンなどの無担保ローンに比べると低い傾向にあります。

ローン 金利相場
不動産担保ローン 銀行:0.9%~9%
ノンバンク:5%~15%
住宅ローン 0.4%~1.3%
カードローン 銀行:1.5%~14%
ノンバンク:3%~18%

 

金融機関は、「きちんと返済してもらえるか」というリスクに応じて適用金利を決めています。

住宅ローンや不動産担保ローンなどの担保があるローンは、無担保ローンに比べて貸したお金を回収できる可能性が高く、その分金利を低く設定できるのです。

また、住宅ローンは資金の使い道が「住宅に関係するお金」と限定されています。その一方で不動産担保ローンやカードローンは資金使途が原則自由です。

お金の使い道が自由な分、金利は高い傾向にあるため、住宅ローンよりも不動産担保ローンの金利は高く設定されています。
H3変動金利と固定金利の違い
不動産担保ローンの金利は、変動金利と固定金利の2つに大きく分かれます。それぞれの特徴は以下のとおりです。

金利タイプ 特徴
変動金利 市場金利の変動により、定期的に借入金利が変わる
固定金利 市場金利が変動しても、借入金利が変わらない

 

変動金利と固定金利には、それぞれ真逆のメリット・デメリットがあります。

金利タイプ メリット デメリット
変動金利 ・固定金利よりも金利が低い
・市場金利が下がると、借入金利も下がるため返済額が減る
・市場金利が上がると、借入金利も上がるため返済額が増える
・固定金利に比べて返済計画を立てにくい
固定金利 ・市場金利が上がっても金利が変わらないため、返済額も変わらない
・変動金利よりも返済計画を立てやすい
・変動金利より金利が高い
・市場金利が下がっても金利は変わらず、恩恵を受けられない

 

金利だけで比べると、変動金利のほうが固定金利よりも低金利なので、お得感があります。現在はマイナス金利政策の影響もあり、低金利時代といわれるほど過去に比べて金利が低く設定されています。

ただ、今後もずっと金利が低いままとは限りません。金利が大幅に上昇すると、返済計画が狂ってしまうこともあるでしょう。その一方で固定金利は金利が変わらないため、計画通りに返済を続けられる安心感があります。

不動産担保ローンで金利が決定するポイント

不動産担保ローンの金利は、上述した通り上限と下限の幅が大きいものです。具体的に金利が決定となるのは「審査通過後」となります。

例えば、「申請者の年収」「不動産評価額」「不動産評価額に対する借入金額」「返済期間」などによって、実際の金利が決定となるのです。

・申請者の信用力
・担保順位
・不動産評価額
・不動産評価額に対する借入金額(担保掛目)
・返済期間
・資金使途

仮に、同条件の不動産であっても、申請者によって金利が変動するため、必ずしも同じ条件であれば同じ金利になるとは限りません。ここでは、金利を決定するための審査のポイントをご紹介していきます。

申請者

不動産担保ローンを利用するのは、個人か法人になります。ここで重要になるのが「信用力」になります。

信用力とは「借りたお金をしっかり返済してくれるか」という返済能力のことを指します。信用力が高いほど金利は低く、信用力が低いほど金利は高くなるのが通常です。

信用力の目安として、個人であれば年収、法人であれば利益を見られます。収入・利益が多いほど信用は高くなりますが、

審査で重要なのは収入に占めるローンの年間返済額の割合(返済比率)です。返済比率が高くなると返済が滞るリスクが生じるため、金利が高くなる傾向があります。

担保順位

担保順位とは、不動産に担保設定をした順番のことです。この順番が早いほど審査にとって有利に働きます。

不動産担保ローンでは、担保とする不動産に「抵当権(もしくは根抵当権)」という権利を登記することで担保設定をおこないます。

抵当権とは、借入人がお金を返せなくなった際、債権者(銀行など)が担保とした土地や建物を売却して弁済をうけられる権利です。

抵当権は、登記した順番が一番早いと「第一抵当権」次の登記が「第二抵当権」のように順番が決まります。これを担保順位といい、順位が若いほど優先的に借入金を回収できるしくみです。

第二順位以下の場合、万が一市場の変化で不動産価値が下がってしまったときに、借入金を回収できないかもしれません。これは金融機関にとって大きなリスクです。

中には、第一順位であることを融資の条件にしている金融機関もあります。

不動産評価額

不動産評価額とは担保とする不動産の価値のことで、担保評価額ともいいます。担保となる不動産の評価額が高いほど、借入可能な金額は多くなり、金利を低くすることが可能です。

金融機関は、借入人が返済できなくなった際、不動産の売却代金から借入金を回収します。損失が生まれないように、「どのくらいの価格で売却できるのか」という価値を算出しているのです。

金融機関によって採用されている算出方法は異なります。主に「積算価格(原価法)」や「収益還元法」という方法で算出されるのが一般的です。

不動産の評価は、土地の評価や建物の延べ床面積、法定耐用年数、メンテナンスの状態など様々な要素から算定されます。

不動産評価額に対する借入金額(担保掛目)

金融機関では担保掛目が設定されています。担保掛目とは不動産評価額に対して設定する比率で、不動産評価額に担保掛目をかけた金額が融資の限度額となります。
たとえば不動産評価額が3,000万円の場合、担保掛目が80%なら融資限度額は2,400万円になります。

3,000万円×80%=2,400万円

担保掛目は金融機関が独自に設定していますが、不動産評価額の70%~80%としているところが多いようです。

限度額よりも借入金額が低い場合は、金融機関側のリスクも減るため、低金利になる可能性があります。

もし担保掛目で決定した融資限度額いっぱいに融資を受ける場合、金利は高めに設定されることがあります。

なぜなら限度額をフルに使われると、借入人が債務不履行になったときに、借入金を回収する余力が少なくなってしまうからです。

担保評価額に対して融資額が少なければ、金融機関にとってリスクの低い融資です。そのため金利を引き下げる余力が生まれます。

返済期間

変動型の場合は、一定のタイミングで金利の見直しがあるため、返済期間によって金利が変わることはありません。

固定型のローン場合は、返済期間が長いほど金利が高くなります。なぜなら固定金利の場合、市場金利が上昇したときのリスクは金融機関が負担しており、融資期間が長いほど長期的にリスクを負担しなければならないからです。

ただし、政策金利や金融市場の動向により返済期間が長くても低金利で借入が可能な場合があるため、金融機関に問い合わせをしてみると良いでしょう。

資金使途

金融機関では、借りた資金を何に使うのか確認します。金融機関によっては使途に制限がある場合があります。

使途について説明し、資金繰りの状況、返済計画をきちんと伝えることで、金利が低くくなることがあります。

不動産担保ローンで金利を低くするコツ

不動産担保ローンの金利は、上述したように信用力や不動産評価額など、さまざまな項目から決定します。

なるべく借入金利を抑えたい場合、以下のコツを取り入れて申し込むのがおすすめです。

返済比率が高い場合は借入額を見直す

収入と返済のバランスは、審査にとって重要です。収入に対して返済額が高いと、返済比率が高くなり、「返済が滞る可能性が高い」と判断されかねません。

返済比率の基準は金融機関ごとに異なりますが、30%程度としているところが多いようです。返済比率が高い場合は、比率を抑えられるように借入額を見直すのが大切です。

また、すでにほかのローンを組んでいて返済比率が高くなっていることもあります。もし貯蓄に余裕があるなら繰上げ返済をするなどして、借入額を減らしましょう。

プラスになる情報を積極的に伝える

信用力が上がるような、プラスになる情報を融資担当者に伝えるのがポイントです。

たとえばお金の使い道を詳しく伝える、いまの収入をカバーできるような収入が今後発生するなら、その内容を伝えるなどが挙げられます。

伝えることで必ずしも金利が下がるわけではありませんが、書面では把握できないプラス情報を伝えることで、信用力が上がる可能性があります。

不動産担保ローンで低金利の金融機関を探すには

不動産担保ローンを利用するにあたり「低金利の金融機関を利用したい」というのが正直なところではないでしょうか。

ここからは、不動産担保ローンで低金利を設定している金融機関の探し方についてご紹介します。

「低金利」を謳っている会社を探す

まずは、インターネットや広告などで「低金利」を謳っている不動産担保ローン会社を探してみましょう。

低金利を謳っている不動産担保ローン会社であれば、ノンバンクであっても比較的低い金利で不動産担保ローンを利用できる場合があります。

ただし、「低金利」と謳っていても実際は比較的高金利となっている場合もありますので、注意してください。その金融機関の情報だけで判断せずに、ほかの銀行やノンバンクの金利と見比べるようにしましょう。

相見積もりする

不動産担保ローンが低金利の会社を探したいのであれば、相見積もりすることをおススメします。

複数の不動産担保ローン会社に見積もりを依頼することで、それぞれの金利を比較でき、条件の良い金融機関に融資を依頼することができます。

複数の金融機関に見積もりを依頼することで、それぞれの金利を比較でき、条件の良いところへ融資を依頼できます。

時間や手間がかかるものの、損するリスクを回避できますので、なるべく相見積もりを行ったうえで会社を探してください。

不動産担保ローンの金利について理解を深めましょう

今回は不動産担保ローンの金利についてご紹介しました。

金利について正しく理解しておかないと、「こんなに返済しなければならないの?」と予想外の返済に苦しむことになってしまいます。

とくに、高額な借入を検討している方は、不動産担保ローンの金利についてしっかりと把握し、適切に返済計画を立てることが大切です。

アビックの不動産担保ローンのご案内

以上が不動産担保ローンの一般的な説明ですが、アビックの不動産担保ローンではもっと柔軟に対応しています。詳細は下記ボタンからご覧ください。

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この記事を書いた人

コラム(お役立ち情報)編集部

コラム(お役立ち情報)編集部

ファイナンスや不動産業での知識と経験豊富なスタッフ(貸金業務取扱主任者や宅地建物取引士の有資格者)が中心となり、公認会計士事務所・弁護士法人・司法書士法人等の専門職の方からの意見やアドバイスを取り入れ、日々、執筆と監修を行っております。