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おまとめローンとは?特徴やメリット・デメリットを解説


複数の金融会社から資金調達を行っている場合、おまとめローンを検討することがあるでしょう。
一般的には返済が楽になると勧められるケースが多い中、いいことだけがあるわけではありません。
デメリットになるケースも理解した上で、利用する必要があるのです。

1.おまとめローンの特長とメリット

おまとめローンには、明確な特徴が存在しています。
そのメリットを生かせるかが重要になるでしょう。

(1)返済を軽減する

おまとめローンの最大のポイントは返済の軽減にあります。
さまざまな金融会社から借り入れをしている状況をひとつにまとめ、返済を集中していくからです。

一本化するため、金利もひとつにできます。
高い金利からもっと低い商品の選択もできるため、返済にかかる負担が軽減できるのです。

おまとめローンは総量規制の対象外になります。
これは総量規制の条件の中に、借り手に一方的に有利な借り換えは対象外となるとされているからです。
そのため、年収の1/3を超えても利用できます。
これにより、一時的に返済分を借りてしまう大きな借金も可能となるのです。

(2)返済期間は最長10年

借金をひとつにまとめるおまとめローンは、返済の負担が下がるものの1社から借り入れている金額が増えます。
そのため返済期間を長く設定するのがポイントです。
これで1回の返済額を抑えられ、負担の軽減ができます。

多くのところが返済期間を最長10年に設定しますが、長くなる分の利息の総額は大きくなるのです。
最終的な負担増大につながるため。将来的な設計と計画を作らなければいけません。

(3) 借入利率の変動

借入利率は元本の総額にあわせて変動するのが一般的です。
バラバラに借りている時には少額であっても、おまとめローンを活用すると大きな金額に変わるでしょう。
まとめたことで元本が大きくなるからですが、借入利率が下がるケースがあります。
必ず下がるわけではありませんが、返済負担の軽減につながる可能性が出てくるのです。

2. 理解しておかなければいけないおまとめローンのデメリット

なんでもメリットばかりがあるわけではありません。
おまとめローンは便利ですが、メリットの裏返しが存在します。
理解しておかないと、逆に負担が増加する可能性があるからです。

(1) 追加借入れはできない

おまとめローンの目的は返済にあります。
とても重要なポイントで、新規に借入れするための存在ではありません。
そのため限度額の概念がない場合が出てきます。
もしも、どこかで借入れを起こしたいと思っても、限度額が設定されなければ追加の借入れはできません。
利用のしやすさの面で、柔軟性には欠ける商品となるでしょう。

ただし、カードローンを使った場合には利用限度額が設定されます。
まとめるだけで返済専用ではないからです。
つまり、何度でも借入れができる反面、借金が減らないリスクが増えてしまいます。

(2)返済総額が増えるリスク

複数ある借金をひとつにまとめて金利を抑えつつ返済していくのが特徴です。
これがメリットでもありますが、返済総額の計算をしないとリスクが高まります。
返済期間が延びることにより、金利を抑えたとしても返済する総額は増えるかもしれません。

元々複数のところから借入れている場合、返済金額も大きくなっていきます。
各社に一定の金額を返済しなければいけないからです。
これをひとつにまとめたことで1社に対してのみになり、返済負担が押さえられるメリットが生まれます。
つまり、おまとめローンを利用するのなら、これまでの返済と同等または少し下げた程度の返済額を用意し、早期に完済する方法が重要です。
この方法が取れない場合もありますが、単純に返済額を減らすだけではメリットが最大化しません。

(3)他社からの借入れはほぼ不可能

おまとめローンを利用する場合でも、必ず信用審査を受けます。
審査から融資を受けて、そのお金で他の借金を返済するのです。
効率化はできますが、借入額は一瞬大きくなっています。
その履歴の問題からも、他社で借入れを起こしたくても審査はほぼ通りません。
もちろん、審査のない方法で借入れはできますが、 闇金などしかなくなります。

住宅ローンや自動車ローンなどでも影響を受ける可能性は否定できません。
しかし、銀行のローンなどは総量規制の対象外なので、審査が通れば利用できます。

(4)思っているほど金利が下がらない

金利を下げて有利な状況を作るのが、おまとめローンの大事なポイントです。
ですが、実際にはそこまで効果を感じない例が出てきます。
消費者金融などを利用していると、金利は上限付近となるでしょう。
この場合、銀行などのおまとめローンが利用できれば、金利に差が生まれます。
しかし、カードローンを利用した方法をとっても、ひとつにまとまるだけで金利の差は生まれない可能性が高いのです。

安く見えても実は高い金利設定も出てきます。
金融機関からすれば、貸倒れのリスクが高い以上、金利の設定は引き上げてくるからです。

特に多重債務に陥っているか、その寸前あたりの人がターゲットになるため、リスクを考えれば低い金利設定ではありません。

(5)利息の引き直し計算ができなくなる

グレーゾーン金利という言葉はよく知られるようになりました。
利用されていたのは利息制限法と出資法の上限金利が異なっていた時代のことです。
現在は法改正により使えなくなりました。
出資法の上限金利よりも利息制限法が高く、罰則も存在しなかったため、多くの金融業者が利用していたのです。
つまり、本来支払うべき金利よりも高額に支払っていたことになります。
この金利は支払う必要がないため、過払い金として業者に対し返還請求を起こせるのです。

おまとめローンでは、この計算をせずに残高を支払い清算するのがほとんどでしょう。
結果として過払い金を取り戻す機会を失います。
完済した後でも請求はできますが、素人が対応しにくい難しい問題も多数出てくるでしょう。

(6)悪いほうへの状況の変化

状況を改善するためにおまとめローンは利用するものです。
ところが、保証人が必要だったり、公正証書の作成が必要だったりする場合もあります。

結果として周囲の人を巻き込む可能性が出てきます。
自分自身だけで解決できず、さらに断られるケースも想定しなければいけません。
こうなると、状況がさらに悪くなる場合もあるのです。

3.おまとめローンの証書貸付

銀行のおまとめローンの中には、証書貸付型と呼ばれる方法があります。
借入金額や返済期間、返済方法などを含めた条件を証書としてまとめた形をとる方法です。
この証書で決められた方法で返済していきます。
証書貸付は金銭消費貸借契約証書であり、借入れもできなくなりますが、あとは返済するだけになるのです。
デメリットと表裏一体ではありますが、借金を清算する部分では有効な方法になるでしょう。

証書貸付は、不利と思えるかもしれません。
しかし、一般的な住宅ローンも自動車ローンも同じような方法をとっています。
もちろん、追加融資も受けられませんが、途中で増えたりもしないのです。

おまとめローンを利用する最大の目的は、返済負担の軽減にあります。
複数の借入れがあり、負担を軽減したい状況は、多重債務といっていいでしょう。
この状況を踏まえて考えれば、証書貸付であれば、今後の返済スケジュールをはっきりさせられます。
負担を軽減させスケジュールを決めていけば、確実な返済にもつながるはずです。
これこそが本来の利用目的であり、多重債務の状況を改善方法といえます。

預金連動型を使えば、本来返済していた金額を使い金利負担も減らせます。
金利の高さがデメリットになる状況も防げるのです。

まとめ

おまとめローンを活用する上で大事なことは、これ以上の経済的な負担を作らないことにあります。
そのための方策として利用しなければいけません。
返済が厳しい借金という面で、すでに大きなリスクを抱えています。
そのリスクを軽減するために何が必要なのかを考え、利用することが大切なのです。
おまとめローンをご検討中の方は、ぜひ一度アビックにご相談ください。
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コラム(お役立ち情報)編集部

コラム(お役立ち情報)編集部

ファイナンスや不動産業での知識と経験豊富なスタッフ(貸金業務取扱主任者や宅地建物取引士の有資格者)が中心となり、公認会計士事務所・弁護士法人・司法書士法人等の専門職の方からの意見やアドバイスを取り入れ、日々、執筆と監修を行っております。