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不動産を担保にしたおまとめローンを選ぶ際の注意点やデメリットを解説

不動産担保
ローンには無担保と有担保があります。どちらも多くの人が利用してきましたが、デメリットを含め注意点も理解して利用することが大切です。
不動産を担保にする場合には、ある程度まとまった金額の融資を受けられ、金利なども有利にできる可能性があります。
その反面、返済がうまくいかない場合には、担保の不動産を売却して返済に充てられるリスクもあるのです。こうした条件も理解しておくことが大切となるため、デメリットを解説していきます。

不動産を失う可能性

不動産を担保にする形のおまとめローンは、無担保に比べてかなり大きな金額を借りられます。複数のローンをまとめ、返済負担を軽減し、総返済額なども減らす効果が期待できる方法です。

重要ポイントは、不動産を担保にするところにあります。メリットにもつながりますが、デメリットであるのも間違いありません。
大きな金額を借りられるなど借りる側に有利な展開が期待できるのは、融資側としても返済がうまくいかないときに不動産を処分できるからです。処分して返済に充てられるため、無担保に比べてリスクが低いと考えられ、金利も抑えられるのが仕組みになります。

反対に借りる側からすると、返済がうまくいかないと不動産を失う可能性が出てきます。特に返済不能と判断された場合には、差し押さえではなく売却となる可能性を理解しなければいけません。

不動産が自分名義の場合、差し押さえになるとしても状況を理解できるでしょう。しかし、両親や兄弟、家族などの名義だった場合でも、借り入れた本人が返済不能と判断されると差し押さえられる可能性があるのです。家族などの信頼関係も崩れる可能性が出てきます。

仮に返済が遅れた時に売却されなくても、信用情報には傷がつく可能性も否定できません。信用情報とは、日本信用情報機関に登録されている情報です。ここに金融機関の事故情報が記載される可能性がでてきます。支払い遅延情報として残るのは、「返済日から61日以上、または3ヵ月以上」が条件とされているため、返済が滞らないよう無理のない計画が重要です。

「信用情報機関とは?どんな情報を基に信用度を判断しているか解説」の記事はこちら

いろいろな諸費用が掛かる

おまとめローンとして不動産を担保にするため、様々な書類や手続きが必要となります。無担保の場合には、個人情報を取引における信用の基本とするため、手間はそこまでかかりません。

しかし、担保があるだけで、かなりの手間と時間が発生しその分の費用を請求されます。この費用は原則借主が負担しなければいけません。額も地域や物件の状態などで異なり、借入金額によっては返済数か月分以上になるケースがあるのです。

事務手数料

融資を受けるために様々な書類や手続きがありますが、この費用をまとめて事務手数料とします。保証委託なども含まれるため、範囲は非常に広いと言っていいでしょう。金融機関によってはこれを無料にすることもあります。

しかし、他の手数料も発生するため、比較してみないと全体的な負担が軽いかどうかは判断できません。事務手数料が無料でも、他の負担が大きいケースもあるからです。
借入金額に対して2%+消費税といった形になるのが一般的です。そのため、借入金額が増えると事務手数料も大きくなります。

印紙税

手数料の中でも避けられないのが印紙税です。金銭消費賃貸契約書を作成して交わしますが、この時に印紙をはらなければいけません。この印紙は印紙税となりますが、借入金額の設定によって額が変動します。印紙税は法律で決められているため、これはどこの金融機関でも違いがありません。

印紙税は金額によって段階が分かれているのが特徴の税金です。

  • 100万円以上500万円以下  :2,000円
  • 500万円以上1,000万円以下  :1万円
  • 1,000万円以上5,000万円以下 :2万円
  • 5000万円以上1億円以下   :6万円

抵当権の設定にかかわる費用

不動産を担保にするため、抵当権の設定手続きが必要です。法務局で不動産の抵当権の設定登記をしなければいけませんが、基本的に司法書士に代行してもらいます。専門家であり、手続きをスムーズに進める基本です。
この時にかかる費用が登録免許税になります。通常は借入金額に対して0.4%になっているので、やはり借入金額が増えると大きな負担になります。

登録免許税とは別に、司法書士の費用も掛かります。これは司法書士の立ち位置や関係性によっても違うため、一概には言えません。
一般的に提携している司法書士に依頼するケースが多く、数万円程度見ておく必要があります。実際に相談した時に、どれぐらいかかるのか確認しておくといいでしょう。

抵当権を設定することで、調べられると借り入れしているかどうか確認できてしまうデメリットが生じます。そこで登記留保という方法も取られるようになりました。抵当権の設定をしない方法で、諸費用を抑えられるメリットがあります。
その代わり、金利の設定は高くなるのがデメリットです。登記しないだけで、問題があればすぐに抵当権を設定することになるため、書類がなくなるわけではありません。

不動産の鑑定にかかる費用

不動産は、見た目だけで価値を判別できるわけではありません。通貨のような扱いができないため、いったいどれぐらいの価値があるのか鑑定する必要が出てきます。
鑑定は不動産鑑定士に依頼するため費用が掛かるのです。不動産鑑定士の費用は、場所などに影響を受けるため、借入金額とは関係ありません。10万円から20万円当たりの設定が多くみられます。

これらの費用を計算すると、2,000万円の設定で大体70万円ぐらいの手数料がかかるのが一般的です。事務手数料によってもかなりの差が出てきますが、借り入れをする以上、かなりの負担になる理解が必要になります。
不動産を担保にすることで低金利に抑えられる可能性が出てきますが、この費用負担も含めて正確に計算する必要がある金額です。それでも複数の金融機関に支払い続けるより、おまとめローンとしてメリットが生まれやすいのは確かです。

審査に時間がかかる

不動産を担保にすることから、鑑定にも時間を要します。無担保の場合には信用調査だけになるので早い場合には即日融資されることがあるでしょう。不動産を担保にする場合には、調査にかかる時間が多くを占めます。1週間程度はかかることを理解して、計画的な行動が必要です。
早い場合には、最短2日といったケースもあります。事前に確認しておくと、必要な瞬間に間に合わせやすくなるでしょう。

繰上げ返済には途中解約違約金が発生する可能性

住宅ローンとも似ていますが、繰上げ返済をする場合、違約金が発生する可能性があります。名称は異なりますが、繰上げ返済手数料も同じ内容です。返済金額の3%という設定がよくみられますが、不要の場合もあり、決まりがあるわけではありません。
注意しなければいけないのが、違約金には消費税がかかる点です。手数料にもかかりますが、大きな金額が発生するため、計算しておく必要があります。

繰上げ返済に手数料がかからないのであれば、返済計画はかなり違いが出てきます。おまとめローンとして毎月の返済負担などを軽くしながら、早めの返済計画が立てやすくなるからです。それだけ大きな負担となるため、事前に確認しておく必要があるでしょう。

担保の追加要求の可能性

不動産は常に価値が一定ではありません。条件によって、大きく変わる可能性が出てきます。下落した場合には、追加で担保を要求される場合がゼロとは言えません。
基本として下落する可能性も含め、金額を設定しています。予測の範疇であれば問題ありませんが、大幅に下落する可能性も否定はできません。事前に予測しきれない部分ではありますが、デメリットとして理解も必要です。

注意点を理解してうまく活用

不動産担保
融資を受けるなら、様々な情報や必要な書類に対する理解が必要です。その中で費用負担という分かりやすい注意点が出てきます。
大事なことは、理解して計算したうえで、全体としてメリットが生まれるかどうかです。おまとめローンとして活用する場合、支払いの負担軽減が大きなポイントになります。毎月の返済額や、返済総額も計算して、どちらにメリットがあるのか明確にして判断していきましょう。

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この記事を書いた人

コラム(お役立ち情報)編集部

コラム(お役立ち情報)編集部

ファイナンスや不動産業での知識と経験豊富なスタッフ(貸金業務取扱主任者や宅地建物取引士の有資格者)が中心となり、公認会計士事務所・弁護士法人・司法書士法人等の専門職の方からの意見やアドバイスを取り入れ、日々、執筆と監修を行っております。